Score

ベー管・エス管・ベー譜…移調楽器がこんがらがる人へ

約6分

合奏で「B♭ちょうだい」と言われて、トランペットは「ド」を、アルトサックスは「ソ」を、ホルンは「ファ」を吹く。同じ音なのに、楽譜の音名がばらばら――。これが「移調楽器」です。

「実音」と「記譜音」

実際に鳴る音を実音、楽譜に書かれた音を記譜音といいます。フルートやオーボエ、トロンボーン(ヘ音記号の楽譜)などは、記譜音と実音が同じC管(ツェー管)の楽譜です。

楽器の名前の「B♭」「E♭」「F」

呼び方楽譜の「ド」を吹くと鳴る実音主な楽器
ベー管(B♭管)B♭(シ♭)クラリネット、トランペット、テナーサックス
エス管(E♭管)E♭(ミ♭)アルトサックス、バリトンサックス、E♭クラリネット
エフ管(F管)F(ファ)ホルン

「ベー」「エス」「エフ」はドイツ音名です(シ♭=B、ミ♭=Es、ファ=F)。

なぜ、わざわざ移調するの?

同じ仲間の楽器(たとえばソプラノ・アルト・テナー・バリトンのサックス)で、指づかいと楽譜の読み方をそろえるためです。サックス奏者は、どの大きさのサックスに持ちかえても、同じ楽譜の読み方・同じ指づかいで演奏できます。

ベー譜とツェー譜

日本の吹奏楽では、ユーフォニアムやトロンボーンに、ト音記号のB♭管の楽譜(ベー譜)と、ヘ音記号の実音の楽譜(ツェー譜)の両方があります。トランペットから持ちかえた人はベー譜が、はじめから低音楽器の人はツェー譜が読みやすい、ということが多いようです。出る音は同じです。

覚え方のコツ

  1. B♭管:楽譜は実音より長2度上に書かれる(実音B♭ → 楽譜のド)。
  2. E♭管(アルト):楽譜は実音より長6度上(実音B♭ → 楽譜のソ)。
  3. F管:楽譜は実音より完全5度上(実音B♭ → 楽譜のファ)。

この3つを覚えれば、スコアを読むときも、合奏で音をそろえるときも、ぐっと楽になります。くわしくは1級と十段の教材でどうぞ。

← コラムの一覧へ